腸内細菌が睡眠や脳に影響する??

腸内細菌が睡眠や脳に影響する??
腸内には三種類の腸内細菌が存在しています。
腸内細菌の1つ目は「善玉菌」です。
腸内細菌の2つ目は「悪玉菌」です。
そして
腸内細菌の3つ目は「日和見菌」です。
腸内細菌の善玉菌は
読んで字のごとく体にとって良い菌です。
腸内細菌の悪玉菌は
こちらも読んで字のごとく体にとって悪い菌です。
そして注目していただきたい腸内細菌は
3つ目の日和見菌です。
腸内細菌の日和見菌は
腸内環境がとても良い状態
つまり腸内細菌の善玉菌が優勢に働いていると
「善玉菌」として活動します。
ところが
腸内環境が腸内細菌の悪玉菌優勢で働いていると
なんと「悪玉菌」として活動してしまうのです。
腸内環境を整えるとは
この腸内細菌のバランスを
常に腸内細菌の善玉菌優勢の状態にしておくことです。
そうすることで
3つ目の腸内細菌の日和見菌が
自然に善玉菌の働きをしてくれるというのです。
整っている腸内では
腸内細菌の割合は
「善玉菌」:「悪玉菌」:「日和見菌」=2:7:1
と言われています。
この腸内細菌の日和見菌が
どちらとして働いてくれるのかが
非常に重要となりますね!!
ではここから
この腸内細菌の働きと身体に及ぼす影響について
一緒に考えてみましょう。
目次
1 腸内細菌はどんな働きをしているの?
2 腸内細菌と脳の働きについて
3 睡眠不足がまねく体の不調は
腸内細菌をきちんと活動させると改善される?
4 腸内細菌の善玉菌をしっかりと働かせて腸内環境を整えて、質のいい睡眠をとるならリンパマッサージ
腸内細菌はどんな働きをしているの?
〇腸内細菌「善玉菌」の働き
腸内細菌の善玉菌は
複数の種類が存在しています。
よく耳にされる「ビフィズス菌」や「乳酸菌」は
代表される腸内細菌の善玉菌です。
これらの腸内細菌の善玉菌は
★便秘予防
★免疫力の向上
★アレルギー緩和
★コレステロール値の低下
★腸内細菌の悪玉菌の繁殖抑制
★抗酸化作用
★脂質の分解
★消化や代謝のサポート
など
体に嬉しい働きをしてくれています。
〇腸内細菌「悪玉菌」の働き
腸内細菌の悪玉菌は
主に大腸や直腸にすみついていて
腸内で腐敗を進めます。
そうすると腸内に腐敗物が蓄積されて
その腐敗物から体に悪い有害物質が発生します。
そうすると
腸内細菌の善玉菌の働きが阻害されてしまします。
腸内環境が変わると、腸内細菌の悪玉菌が優勢になり
以下のような症状が出ます。
★下痢
★便秘
★免疫力の低下
★ウイルス性の疾患にかかりやすい(風邪、胃腸炎など)
★発がん性物質を作り出す
このように腸内環境が乱れ
腸内細菌の悪玉菌が増えてしまうと
体の不調を訴えやすい状態になるのです。
腸内細菌の悪玉菌も善玉菌同様に
複数の種類があります。
大腸菌やピロリ菌、ウェルシュ菌などが
その代表的なものです。
〇腸内細菌「日和見菌」の働き
腸内細菌の日和見菌にも種類が複数あります。
「バクテロイデス」や「嫌気性連鎖球菌」などが
その一種です。
先にも話したように
この腸内細菌の日和見菌は
腸内環境がくずれて腸内が悪玉菌優勢になると
悪玉菌の働きをするので
これらの菌をいかに善玉菌優勢の状態で
働かせるかが大切になります。
腸内細菌と脳の働きについて
筑波大学などの研究によって
腸内環境は脳機能と相互に営業を及ぼし合い
腸内細菌叢(腸内細菌の集合体・腸内フローラ)を
除去すると
睡眠の質が低下する可能性があることが
分かってきました。
腸内環境と脳機能は相互に作用しあっており
この関係は「脳腸相関」と呼ばれ
心身の健康維持において
重要な役割を担っていると考えられており
注目を集めているのです。
人は脳の指令によって
各臓器を動かしていると思われていますが
腸は脳の指令なく自律的に判断し
他の臓器に働きかけることができます。
腸は第二の脳と呼ばれています‼
睡眠は「脳機能」の一つであり
腸内環境からの影響を受けている可能性があります。
1 腸内細菌叢がアミノ酸に大きく影響する
腸内細菌叢を除去すると
精神を安定させる働きのある「セロトニン」が
なくなってしまったのです。
セロトニンは
精神面に大きな影響を与える神経伝達物質で
三大神経物質と呼ばれています。
セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れて
暴力的になったり、うつ病を発症したり
睡眠障害を起こしたりしてしまいます。
セロトニンは
体内の存在量の約90%が腸に存在しています。
不眠と腸内細菌が大きく関係しているのは
このためなんです。
現代人の多くは
このセロトニンが不足していると言われています。
腸内細菌を正常に保つことは
このような暴力的な行動を抑えたり
うつ病や睡眠の症状を改善するのに
大変大切なことなのです。
睡眠の質を上げたいのであれば
このセロトニンをきちんと分泌できるように
腸内環境を整えるために
腸内細菌の善玉菌を
しっかりと存在させなければなりません。
2 腸内細菌叢がないと昼夜のメリハリがなくなる
こちらも腸内細菌と睡眠に関する
興味深いお話です。
睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があります。
ノンレム睡眠は
身体と脳の活動が抑制されている睡眠のことです。
レム睡眠は
身体の活動は抑えられていますが
脳は活発に活動している睡眠のことです。
腸内細菌叢を除去すると
睡眠時にノンレム睡眠が減少し
反対に活動時には
ノンレム睡眠とレム睡眠の増加がみられました。
これは、腸内環境が悪化して
腸内細菌の悪玉菌が増加し
本来睡眠をとる時間帯に活動が増え
活動が盛んな時間帯には睡眠をとるという
昼夜のメリハリがない状態と言えます。
不眠の方には
本人の眠りたいという脳からの指令に反して
体がこのような状態になっていることがあるのです。
脳と睡眠、腸内細菌は
ここでも大きく関係しているといえますね。
脳の働きをスムーズにし
快適な毎日にするためには
ストレスや睡眠障害、うつ病などの症状を抑制する
「セロトニン」を分泌しなければなりません。
そのセロトニンは
腸内の腸内細菌叢を住みかとしているので
腸内環境を整えてあげることは
脳の状態を健やかにしておくことと
密接な関係があるのです。
脳を健やかにして
ストレスとうまく付き合っていかないと
セロトニンが減少し
睡眠障害につながってしまいますね。
腸内細菌のバランスを整えることで
脳は健やかになり
脳を健やかにすることは
腸内細菌をバランスよく保つことになるのです。
睡眠不足がまねく体の不調は 腸内細菌をきちんと活動させると改善される?
ぐっすり眠れないと
次の日何だか体がだるいと感じたり
本来のパフォーマンスを
発揮することができなかったり
お肌やに張りがなくなったり・・・
と、私たちの生活の中で
「睡眠」はとてもとても大切なものです。
「寝る子は育つ」と言われるように
成長ホルモンは夜の睡眠時に分泌されています。
私たち大人だけではなく子どもにとっても
睡眠は本当に大切ですね。
ところが、この「睡眠」に悩みを抱えている方々が
たくさんいらっしゃるのですが・・・
この睡眠と脳、そして腸内細菌に
大きな関係があることが分かってきました。
何と
腸内細菌が睡眠ホルモンを生み出しているんです!!
睡眠に深い関係があるホルモンといえば
「メラトニン」ですが
このメラトニンは睡眠時に分泌され
深い眠りへと誘導します。
メラトニンの原料となる「トリプトファン」は
体内で作り出すことができないので
食べ物から取り入れる必要があります。
その食べ物とは「たんぱく質」で
たんぱく質は
腸内細菌の力でトリプトファンに分解され
別の物質になり
脳へと運ばれてセロトニンへと変換されるのです。
このセロトニンを元にして
睡眠ホルモンの「メラトニン」が生成されます。
これは腸内細菌と脳
そして睡眠の深い関係を意味しています。
腸内環境が整い、腸内細菌が正しく働いてくれないと
メラトニンがうまく分泌されずに
質のいい睡眠がとれなくなってしまうのです。
質のいい睡眠とは
レム睡眠とノンレム睡眠が交互にやってきて
睡眠中に脳と身体をしっかりと休めることにあります。
理想の睡眠時間は
人によって様々です。
平均的な睡眠時間をとっているから
自分の睡眠は充分とれているかというと
そうでもないということですね。
自分の適性睡眠時間は
性別や年齢、基礎代謝量、精神的・身体的疲労感など複数の要素から決まるので
例え同じ年齢同士でも
人によって適正睡眠時間は違います。
この睡眠時間を充分確保できていなかったり
過剰に睡眠時間をとりすぎていると
眠気をコントロールする睡眠物質が
溜まってしまいます。
睡眠物質は
日中の活動時間と脳の活動量に比例して増えます。
そして、この睡眠物質は
睡眠するとともに分解されて減少します。
そのため
睡眠時間を充分に確保できていないと
脳にたまった睡眠物質を減らすことができないので
日中の活動時にずっと眠気を感じることになるのです。
自分の体の声をしっかりと聞いて
自分にあった睡眠時間を確保できるような生活を
心がけてくださいね。
また体内時計の乱れが
睡眠不足の原因として言われることがありますが
それは「体内時計」が自律神経などの
生体リズムの調節に関わっているからです。
この体内時計の乱れは
腸の機能に影響し
腸内細菌のバランスを崩し
悪玉菌を増加させて腸内環境を乱してしまうのです。
体内時計が乱れると睡眠ホルモンの「メラトニン」が正しく分泌されず
睡眠不足になるので
腸内環境を整え
腸内細菌の善玉菌にきっちり活動してもらうと
体内時計の乱れが改善され
それによって睡眠不足から解放され
質のいい睡眠になるというわけです。
腸内細菌の善玉菌をしっかりと働かせて腸内環境を整えて 質のいい睡眠をとるならリンパマッサージ
ここまで
腸内細菌と脳や睡眠についてお話をしてきましたが
これらの3つは
それぞれが相互に関係性をもっていることを
ご理解いただけたと思います。
腸の働きは自律神経と関わりがあり
自律神経が乱れると腸内環境が乱れ
その働きを弱めます。
自律神経は2種類あり、
交感神経はアクセルの働きをし
副交感神経はブレーキの働きをすると思ってください。
ほとんどの内臓は交感神経が優位になると
活発に働きます。
しかし腸は
交感神経と副交感神経の両方が働く状態を好み
交感神経が強すぎると
腸のぜんどう運動がよわまってしまうのです。
その状態の腸に
リンパマッサージをするとどうなるのでしょうか。
リンパマッサージは
交感神経と副交感神経の活動をどちらも活発にします。
リンパマッサージはぜんどう運動を促すので
腸内の老廃物を体外に流し
腸内環境を改善します。
便秘症の人は
鈍くなっている腸の動きが活発になり
腸が元気を取り戻します。
リンパマッサージは
体中に張り巡らされているリンパに
優しく圧をかけ
そのぜんどう運動を活発に行えるように
改善してくれます。
腸内細菌の悪玉菌は
腸内にたまっている有害物質が増えると
増加しますので
それにより腸内環境が乱れると
腸内細菌の悪玉菌優勢の腸内になってしまいます。
その状態では
腸内に90%あるセロトニンがうまく働かず
睡眠不足に繋がります。
腸の働きが弱ると
脳にも大きなストレスを与えますので
このことからも
やはり腸内環境を整えて
腸内細菌の善玉菌を優勢にしておくことは
質のいい睡眠をとるとめにも大切です。
腸内環境を整え
腸内細菌の善玉菌優勢の腸内に保つことは
体中のあらゆる不調を改善してくれるのです。
腸活という言葉もすっかり定着し
特にコロナ禍では
「免疫力を高めよう」
と様々な腸活が話題になりました。
腸内環境を腸内細菌の善玉菌優勢にしておくことは
健康で美しく年を重ねていくためには
とても重要であることを
多くの人が知りました。
しかしながら
本当に腸活を実行できている人は
どのくらいいるのでしょうか。
このコラムを読んでくださっているあなたは
一過性の流行にのって
「○○がいいよ」
「○○を食べたら免疫力が高くなるらしいよ」
「○○すれば腸内環境が整うらしいよ」
などと
情報や噂に惑わされることないでくださいね(*^_^*)
体の仕組みを知り
本当の意味で一生続けられるように
腸内環境を整え
腸内細菌の善玉菌を増やすことが大切です。
腸内細菌の善玉菌を増やす方法は
腸内細菌の善玉菌を含んだものを食べることと
腸内細菌の善玉菌のエサとなるものを食べることです。
腸内細菌の善玉菌を含んだもの
〇納豆
〇味噌
〇チーズ
〇キムチ
〇ヨーグルト
など
腸内細菌の善玉菌のエサとなるもの
〇野菜
〇キノコ類
〇海藻類
〇果物
など
このどちらもを同時にとることが大切です。
ただし
この二種類を同時にとることが大切です。
腸内細菌の善玉菌を含むものだけを取り入れても
エサとなるものがないと
腸内に定着することなく
そのまま体外に出て行ってしまいます。
そして
取り入れたあとは不要なものをきちんと
排出していかないと
体内に不要なものがたまり
腸内を腸内細菌の悪玉菌で満たしてしまうことになります。
リンパマッサージによって
リンパの流れを滞らせることなく
きちんと排出できる体のめぐりを作っていくことは
実は腸活にとって最も大切なことであることを
ご理解いただければと思います。